12974.jpg
妊娠させた元不倫相手から「赤ん坊のイラスト入り年賀状」・・・恐怖のお正月体験
2020年01月01日 09時17分

不倫を清算できたと思っていたのは、男性だけだったようです。弁護士ドットコムに以前の不倫相手女性からいやがらせの電話や年賀状が届いて困っているという相談が寄せられました。

相談者の男性は不倫をしていた女性を妊娠させたといいます。結局は流産したそうですが、「酷い別れ方をしたため恨まれています」と告白しています。

男性によると、「年に何回か、妻宛に子供を産むという内容で匿名のいやがらせ電話がきた」「正月に赤ん坊のイラストの入った年賀状が匿名で届いた」「子どもを出産したとの内容のハガキが匿名で届いた」といったことが続いているそうです。

男性の妻も困っているといい、元不倫相手を何らかの罪で告訴したいと思っているとのことでした。果たして、元不倫相手に対し、何らかの罪に問えるのでしょうか。濵門俊也弁護士に聞きました。

不倫を清算できたと思っていたのは、男性だけだったようです。弁護士ドットコムに以前の不倫相手女性からいやがらせの電話や年賀状が届いて困っているという相談が寄せられました。

相談者の男性は不倫をしていた女性を妊娠させたといいます。結局は流産したそうですが、「酷い別れ方をしたため恨まれています」と告白しています。

男性によると、「年に何回か、妻宛に子供を産むという内容で匿名のいやがらせ電話がきた」「正月に赤ん坊のイラストの入った年賀状が匿名で届いた」「子どもを出産したとの内容のハガキが匿名で届いた」といったことが続いているそうです。

男性の妻も困っているといい、元不倫相手を何らかの罪で告訴したいと思っているとのことでした。果たして、元不倫相手に対し、何らかの罪に問えるのでしょうか。濵門俊也弁護士に聞きました。

●ストーカー規制法に抵触する可能性は?

元不倫相手の行動は、何らかの犯罪になる可能性はありますか?

「元不倫相手ということですから、当該女性には、ストーカー行為等の規制等に関する法律(以下『ストーカー規制法』といいます)第2条第1項柱書にいうところの『特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的』がありそうです。

また、ストーカー規制法の保護の対象者には、『当該特定の者』に限らず『その配偶者』も含まれます。そこで、当該女性の行為がストーカー規制法違反となるかどうかを検討してみましょう。

まず、『年に何回か、妻宛に子供を産むという内容で匿名のいやがらせ電話がきた』とのことですが、ストーカー規制法第2条第1条第5号違反となるには、『拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ』ることが構成要件となっています。相談者の奥様が電話を拒否したかは不明ですが、仮に拒否していたとしても、年に何回かでは『連続して』には該当しないでしょう」

つぎに、『正月に赤ん坊のイラストの入った年賀状が匿名で届いた』とのことですが、このような年賀状を送ったにすぎないのであれば、ストーカー規制法第2条第1項6号にいう『著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付した』とはいえないでしょう。

そして、『子どもを出産したとの内容のハガキが匿名で届いた』とのことですが、『子どもを出産した』ことは、ストーカー規制法第2条第1項7号にいう『その名誉を害する事項』にも同条同項8号にいう『その性的羞恥心を害する事項』にも該当することはないでしょう。

結局、当該女性の行為は、ストーカー規制法違反とはならない可能性が高いです」

●「脅迫罪も成立しない可能性」

「ただ、相談者の男性及びその奥様からすると、当該女性の行為は不気味であることに違いはありません。そこで、脅迫罪(刑法第222条)の成否を検討してみたいのですが、当該女性の行為のいずれも『生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知し』たわけではなく、人を畏怖させるに足りる害悪の告知とはいえないでしょう。

よって、脅迫罪も成立しません。

その他にも犯罪が成立し得る可能性はなく、結局、元不倫相手に対し罪を問うことはできません」

では、犯罪行為にならないとして、どのようにして元不倫相手を止めれば良いのでしょうか。

「元不倫相手の行為が何かしらの犯罪行為に該当するのであれば、刑事告訴や民事上の損害賠償請求(民法第709条、同法710条)等が考えられますが、上記のとおり、当該女性の行為は何ら犯罪行為に該当しません。

もちろん、犯罪行為に該当しないといって民事上の不法行為責任が認められないわけではありませんが、当該女性の行為だけみる限りでは、不法行為責任を追及することは困難だと思います。

結論としては、当該女性が諦めるのを待つほかないと思います。もちろん、相談者の男性及びその奥様の心中を察すると余りあるのですが、まともに相手をしないという方法(気にしないこと、無視すること)が、実は、最も効果があると思います。

ただ、それでも改善しないという場合は、警察や弁護士に相談してみることもおすすめします」

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る