10511.jpg
ファミレスのドリンクバー、高齢女性が水筒に詰め替え 法的には?
2023年12月03日 09時15分

ドリンクバーからなみなみと注いだコップを大切に抱えたその女性は、席に着くや否や、店員の目を盗むようにしてバッグから取り出した水筒に移し替えた——。都内の主婦・J子さんは先日、ファミリーレストランでそんな光景を目撃した。

「高齢の女性でした。あまりに自然にコップの中身を移し替えていたので、いつもやっているのかなと思いました。取り立てて悪いこととは思わないのですが、やっていいのかな?と疑問に思いました」と話す。

ドリンクバーは通常、店内の指定されたコップで飲むものと思われるが、水筒などで店外に持ち出すことも問題はないのだろうか。もし店側から退店要求されたら従わなければいけないのだろうか。上田孝治弁護士に聞いた。

ドリンクバーからなみなみと注いだコップを大切に抱えたその女性は、席に着くや否や、店員の目を盗むようにしてバッグから取り出した水筒に移し替えた——。都内の主婦・J子さんは先日、ファミリーレストランでそんな光景を目撃した。

「高齢の女性でした。あまりに自然にコップの中身を移し替えていたので、いつもやっているのかなと思いました。取り立てて悪いこととは思わないのですが、やっていいのかな?と疑問に思いました」と話す。

ドリンクバーは通常、店内の指定されたコップで飲むものと思われるが、水筒などで店外に持ち出すことも問題はないのだろうか。もし店側から退店要求されたら従わなければいけないのだろうか。上田孝治弁護士に聞いた。

●窃盗罪にあたる可能性も

ファミリーレストランのドリンクバーは、一般的には、対象となっているドリンクを、一定の料金を支払うことによって、店内において飲むことができるサービスのことをいいます。 そして、ドリンクバーにおいては、店内で飲むことを前提にドリンクが提供されていることは常識となっています。

仮に、店内に「持ち帰り禁止」といった内容の張り紙やメニューへの表示がなかったり、従業員から「持ち帰りはできません」といった説明がなかったりしても、一般的なドリンクバーであれば、ドリンクを持ち帰ることは当然できないということになります。

したがって一般的なドリンクバーにおいて、ドリンクを水筒に移し替えるなどして店外に持ち出してしまうと、ドリンクを盗んだということで、窃盗罪にあたる可能性があります。

また、ファミリーレストランには、店舗の利用に関して管理権限がありますので、ドリンクの持ち出しといった犯罪にもなり得る明白なルール違反があったような場合、退店を命じられた利用者は、それに従わなければならないことになります。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る