この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
ご相談者のAさんは、夫B氏のいる女性C子さんと肉体関係を持ち、そのことがC子さんの夫Bさんの知るところとなりました。その後、C子さんとB氏は離婚しましたが、後日、B氏は、暴力団員風の男性を伴ってAさんの勤務先に押しかけて怒鳴り付けるなどし、近くの喫茶店で、Aさんを脅して「1000万円を3回に分割して支払う。」との内容の誓約書を書かせました。対応に困ったAさんが、私のもとに相談に来られました。
解決への流れ
まず、B氏に対し、同氏の行為が刑法上の恐喝に該当することを指摘するとともに、民法上は、誓約書は強迫によって書かされたものなので、1000万円の支払約束を取り消す旨の意思表示を内容証明郵便で行いました。早速、B氏から猛烈な抗議の電話がありましたが、法律上のルールに基づく正当な請求であれば交渉に応じる用意があるが、誓約書に基づく請求には応じられないと言って突っぱねました。そうしたところ、B氏は弁護士に依頼し、代理人間で交渉したところ、最終的に、AさんがB氏に解決金100万円を支払い、それと引き換えにB氏はAさんに誓約書を返還し、それ以外には互いに債権債務なしとする示談が成立しました。
脅しによって作成された誓約書に基づく請求には絶対に応じられないとの強い態度を示したため、相手方男性も弁護士に依頼せざるを得なくなり、それからは、代理人間で比較的スムーズに話が進みました。