この事例の依頼主
70代 男性
相談前の状況
5年ほど前に叔父が亡くなりました。叔父は9人兄弟の末っ子で、妻とは死別しており、子供はなく、他の8人の兄弟姉妹も既に他界していたため、相続人は甥・姪やその子供ばかりで26名にも上りました。相続人全員に連絡して遺産分割協議を行おうとしましたが、叔父とは疎遠な者が殆どで、どうしても協力してもらえない人がおり、困っています。
解決への流れ
相続人全員を相手方として遺産分割調停を申し立ててもらいました。やはり、全ての当事者が裁判所に出頭することはできませんでしたし、最後まで全く連絡が取れない人もいました。このため、調停を成立させることはできませんでしたが、主な遺産である不動産について、相続人全員がそれぞれの相続分の割合に応じて共有取得したうえ、競売を実施して代金を相続分に応じて分配すること等を内容とする「調停に代わる審判」をして頂くことができ、実際に競売も実施して遺産分割を完了することができました。
調停を申し立てるにあたっては、事前に相続人全員にお手紙をお送りし、依頼者の意向や今後の進行等について丁寧にご説明し、できるだけ相続人の方々からご協力頂けるよう配慮しました。それでもやはり最後まで協力して頂けない相続人の方がいらっしゃいましたが、家庭裁判所の裁判官に「調停に代わる審判」を出すことをご了解頂き、結果的にどなたからもこれに対して異議が述べられなかったため、解決に漕ぎ着けることができました。依頼者が解決までに個人的に負担していた経費についても概ね回収することができ、また、被相続人の永代供養料の捻出も可能となって、解決にご満足頂けたことは幸いでした。