この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
相談者の親が被相続人で、その遺言書には相続人の一人だけにすべての遺産を相続させると記載されていました。その相続人に対して遺留分減殺請求権を行使すると伝えて話し合いでの解決を求めましたが、多額の特別受益があるはずなのでそれ以上に渡す財産はないなどと反論されていました。感情的な対立もありまったく話し合いが進んでいませんでした。
解決への流れ
直接交渉しても感情的になってしまい冷静な話し合いができない状態だったため、調停を申し立て第三者を介在させて話し合いを進めることにしました。そのうえで、相手方が述べるような特別受益がないことを丁寧に主張立証して説得を試みました。また、時価額が不明瞭な財産があったため、双方が鑑定書を作成し、遺産の総額がいくらになるかの話も同時に進めました。粘り強く調停での話し合いを続けたところ、2年近い時間はかかりましたが、最終的に約4億円相当の財産を取得することを相手方に認めさせることができました。
相続人間の感情的対立が激しい事案や、高額の相続財産が残っている事案では、話し合いが思うように進まず解決まで長期間を要することが多々あります。そのような場合でも、裁判上の手続きを利用し、法律論を交えて冷静に粘り強く交渉することで良い結果を得られることがあります。この事例はその代表例といえる事例でした。