依頼者は、２人兄弟の弟さんでした。地方都市の地主であったお父様が亡くなり、お兄さんを中心として死後の手続が進められました。その後、お兄さんより、税理士作成の遺産分割協議案が一方的に送り付けられ、判子を押して返送するように言われた。遺産分割協議書の内容が、依頼者の取り分が極端に少ないものであったため納得ができず、知人の紹介により当事務所を訪れた。

当事務所は交渉事案として受任しました。相続財産を確認し、依頼者の望む法定相続分を前提とする分割協議案を確認して交渉を開始しました。相手方は、自身は本家の長男であり、今後も冠婚葬祭等で多額の出費が予想されること、これまで両親の世話を一手に担ってきた事情を説明し、当初の分割協議書案にこだわりました。当方は、あくまで法定相続分による分割が基本であることを主張しましがたが、上記事情を加味して、若干の譲歩を検討することを前提に交渉を継続しました。数か月にわたる交渉の結果、依頼者は法定相続分を若干下回る財産を取得することで納得し、遺産分割協議が成立しました。