犯罪・刑事事件の解決事例
#死亡事故 . #慰謝料・損害賠償 . #過失割合

【死亡事故】【訴訟】【過失割合】刑事事件の段階から依頼を受け、被害者参加制度を利用して、ご遺族の心情を反映させた事案 / シートベルトを着用せずに後部座席に同乗していた被害者の過失を0%とした事案

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藤本 一郎 弁護士が解決
所属事務所だいち法律事務所
所在地大阪府 大阪市北区

この事例の依頼主

10代 女性

相談前の状況

被害者は、数名の友人とドライブに出かける際、自動車の後部座席に乗車していましたが、シートベルトを着用していませんでした。その後、自動車を運転していた加害者は、スピードを出しすぎた上、ハンドル操作を誤りました。このため、自動車のコントロールが利かなくなり、自動車は横転してしまいました。この時、被害者は、自動車の窓から上半身が投げ出され、頭部に重傷を負ったため死亡しました。ご遺族は、被害者が死亡したことに大きなショックを受けていました。そして、大切なご家族を失ったこと、加害者の運転があまりにも無謀だったことから、加害者の処罰について、厳重な処罰を望んでいました。

解決への流れ

ご依頼を頂くに際して、ご遺族から、① 刑事手続に関与し、ご遺族の意思(厳罰を求めていること)を反映させる② 損害賠償請求手続において、被害者に過失がないという認定を勝ち取るというご希望がありました。そこで、刑事手続においては、・ 捜査段階から検察官と連絡を取り合い、ご遺族が厳重な処罰を望んでいることを積極的に伝える。・ ご遺族から事情を聴取する際、ご遺族が置かれている状況を詳しく聴取することを要請する。・ 起訴後の刑事裁判では、被害者参加制度を利用し、記録の謄写によって事案の詳細を把握するとともに、被害者参加人の意見陳述によってご遺族の意思を裁判所に明確に伝え、被告人質問によって事故の発生状況や事故後の反省の状況などを明らかにする。などの対応を行いました。刑事手続が終了した後、あえて自賠責保険金の請求手続を行わないまま、損害賠償請求訴訟を提起しました。自賠責保険金の請求をするか否かによって、弁護士費用や遅延損害金の認定額に影響が出るためです。裁判では、逸失利益の前提となる基礎収入の額、死亡慰謝料の額、過失割合などが争点となりました。ご遺族は、過失割合に強い関心を持っておられ、「亡くなった被害者には過失がない」という認定を勝ち取って欲しいと考えておられました。そこで、過失割合に関しては、刑事手続の段階で入手できた資料を詳細に検討し、・ 事故発生状況の異常さ・ 加害者の運転の悪質さ・未熟さ・ 加害者の安全に対する意識の欠如などの事情を主張しました。その結果、裁判所は、加害者が100%の責任を負うと認定し、被害者には過失を認めませんでした。また、基礎収入や死亡慰謝料についても、こちらの主張をほぼ認めてくれました。

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藤本 一郎 弁護士からのコメント

ご遺族の考えを十分に刑事処分に反映させるため、積極的に検察官と連絡をとるとともに、被害者参加制度を利用して裁判に関与しました。早期から関与することによって、早い段階で、事故状況や加害者の供述内容の詳細を把握することができました。そして、把握した事情を基にして、ご遺族と協議し、適切な方針を決定することができたため、刑事裁判でも民事裁判でも、効果的な対応が可能になったと思います。当事務所では、早い段階からご依頼をいただいた案件については、積極的に刑事手続に関与して、被害者の処罰感情などを刑事処分に反映できるように努めています。損害賠償請求の裁判(民事)においては、被害者に過失を認めるかどうかがメインの争点になりました。人身傷害保険が適用可能だったため、ご遺族が支払を受けられる金額だけを見れば、過失割合にこだわる必要はありませんでした。しかし、「だいち法律事務所」では、依頼者の心情を十分に考慮して対応することを重視しています。ご遺族が過失割合にこだわりを持っておられたため、その意思に沿って、被害者に過失は認められない旨の主張を詳細に展開しました。その結果、被害者に過失を認めないという認定を勝ち取ることができ、ご遺族のお気持ちを実現することができました。ご遺族にも納得してもらうことができ、よい解決ができたと考えています。詳しくはこちらのページをご確認ください。https://daichi-lo.com/case/case-shibou1.html